友人が昔、新卒で就職した時。
世話をした教官が「あいつ、何でオレのところに菓子折り持ってこんのや!」と怒っていたらしい。
おれがこんなにやってあげたのに
善意は与える方だけで完結しない。
与えられた人からの感謝を確認して、初めて善意を与えた方の自尊心は満たされる。
そして、想定した感謝が返ってこないと、その人は怒る。
なぜ怒るのか?
属するコミュニティの中での自分の立場が価値のあるものだと確認したいのである。
感謝されないということは、自分の立場が危ういのではないかと、不安になるのだ。
人は一人では生きていけないから。
コミュニティの中の達立場が崩れることを、無意識に恐れているのだ。
勝手に善意を振りまいて、その反応の有無で勝手に満足したり、怒ったり。
善意の正体。
それは、振りまいた善意の反応で自分の立ち位置を確認する行為でもあるのかもしれない。