自然に薄くなってしまうもの

会社のすっげー偉い人から、なんだかよくわかんないメール。

その人からネズミ講式に大量にぶら下がった人たちに、一斉に送られたその文章に「返信して」という一文が・・・。

正気ですか?

みんなが返信したら、軽く100通以上でしょ?

 

そもそも、僕よりもはるかに階級が上の人。

うん、もろ経営者側の立場。

なんでわざわざ末端の人の意見を聞こうとしてんの?

一個階級が下の人、もしくは更に下の管理職クラスまでならわかる。

ちと、無謀でしょ?

 

と、思ったけど、返信することにした。

だって、それで「ギャー!!」ってなったとして、送った方が悪い!

そこで、ストンと腹に落ちた。

よし、ガッツリ書いてやろう。

 

返信するからには、遠慮しない。

それ違うよというか、この情報把握してる?っていうようなことはバンバン書く。

以前にも方針説明みたいな演説に思いっきり「レス」なメールを送ったことあるけど、「感謝します」って返ってきた。

反応がないのが一番さみしい、と。

 

孤独なんだと思う。

偉くなればなるほど。

歳を重ねるほど。

きっと、その人を対等な「人」としては見てくれなくなるんだろうなって。

 

偉い人にほど、何言ってもいいと思ってる。

下の人にほど、言ってはいけないことがあるとも思う。

かといって、やはりなんだろう、言いにくさはある。

言いたくない、という気持ちもある(笑)

根本には、偉い人とはなるたけ関わり合いたくないっていう、その気持ち。

あとは「権威」に対する恐怖か。

だからといって、偉い人に対してだから「それはできません」って言えない人、それになりたくない。

あとは、給与としてもらっている以上、やらなあかんでしょうって。

 

その日の日付が変わる前に返したメールは、次の日の夕方に返ってきた。

どれだけの数返ってきたのかわかんないけど、よくやるなぁって。

本当に頭が下がります。

 

正月明け、出社した。

コロナで閑散とした事務所で、近くのGr員が雑談してる。

「あのメール返信しなきゃいけないのかな?でも、そんなことしたらすごい数だよね?」

様子見。

自分だけでは判断せず、周りの人と足並みを揃えようとする人たち。

もしかしたら大半の人は返していないのかもしれない。

 

多くの人に向けて放ったメッセージ。

それは、自然に薄くなってしまうもの。