Day11 メッターの波動

3:30に起きてウンコ、シャワーを済ませる。

昨日、入所してから初めてのウンコが出た!!

ちょびっとだから、まだ、たんまり腹に溜まってる感あるけど。

4:20→5:20 自室で瞑想。

5:20~ ラストキッチン。

生徒と一緒に講和聞いたり、瞑想してもいいよ、と言われている中で、責任感の強いメンバーが数人既にいた。

昨夜の打ち合わせだと、僕だけかと思っていたので、ビックリ。

朝食の準備をほぼ終え、全員参加必須の6:00過ぎ~ファイナルメッターへ。

6:30~朝食。

今日から断食するつもりが、決意は脆く崩れ去り、ダーナのパンにオリーブオイルダクダク+バターてんこ盛りで貪り食う。

おそらく、人間の脳というのは、特別なことを2つ同時に実行することはできないのだ。

 

7:15~片付け、そのままグダグダと時間は流れた。

あと、金銭ダーナもした。

奉仕者もするの?という疑問があって、やってなかったんだけど、尊敬する先輩がやってる姿を見たら、なんか「オレもオレもーー!!」ってなった(笑)

これするとね、なんか、食材を貪り食った自分を肯定できるのよ(笑)

 

来た時にはなかった居場所ができていて、またなくなろうとしている。

なんかちょっと、放心状態気味でキッチンの椅子に座っていた。

 

バス停まで歩いて行こう。

そう思っていたら、長期滞在者の方の一人が「送っていくよ」と言ってくれたが、送る時間になった頃にはそれを忘れていた。

気づいてくれた人がいて、無事、バスの時間に間に合った。

少し定刻から遅れたバスに、大量の人とキャリーバッグが乗り込んでいく。

乗り場から人は消えた。

しかし、2つのキャリーバッグが残った。

 

はにゃ??

 

もう一人の奉仕者がバス内のメンバーに問う。

キャリーバッグ忘れてないかい?

そんな人はいない。

バスは公共交通機関であり、待ってもらうわけにはいかない。

僕は腹を決めた。

行ってくれ。

もう一人の奉仕者へ、笑顔で伝える。

9:45 僕と、僕のキャリーバッグと、見知らぬキャリーバッグ2つが、バス停に残った。

 

バスを見送りながら、さっきまで居た場所へ電話する。

便利な時代である。

さっき送ってくれた軽トラがやってきた(笑)

タクシーで帰る、と言うと、その長期滞在者の方は駅まで送ってくれた。

駅までの道中、その人が瞑想の道に入るまでの話を聞いた。

長いですよ、そう言って彼は話し始めた。

 

小さい頃、器用でなんでも人よりできた。

サッカーも上手かった。

練習しなくても上手かった。

人を見下すようになった。

サッカーも辞めた。

家でダラダラしていたら、父に引きずり回された。

警察官として鍛え抜かれた父に歯が立たなかった。

その父にテニスへ連れられた。

楽勝だろう、器用な自分なら。

一緒にテニスをした相手にボロ負けした。

それから、めちゃくちゃに練習した。

ライバルができた。

めちゃくちゃキライな奴。

ある試合で、そのライバルに対して、5-1で勝っていた。

サーブのトスを上げた瞬間、「ざまあみろ!」と思った。

その瞬間から、身体が重くなって、動かなくなった。

まさかの逆転負け。

 

なぜ負けた?

 

人を見下していては、強くても勝てない。

それから、考え方が変わった。

相手が打ちやすい球を。

相手が上手くなるように。

 

強くなった。

ある日川原で練習していたら、70歳くらいの人からテニスやろって誘われ、負けた。

70歳なのに、めちゃくちゃ強かった。

全日本のコーチだった。

その人に鍛えてもらって、さらに強くなった。

ケガでテニスを辞めた。

でも、スポーツやってる間、めちゃ幸せだった。

大事なことは全部スポーツから学んだ。

キライだったライバルにも今では感謝している。

大事な事を教えてくれてありがとう。

 

大人になって、働いて、彼女ができた。

親にもハグするような人。

海外によく行く人だった。

海外ってどんなだろう?

興味が沸いた。

でも、当時はまだ日本人をやっていた。

仕事を辞めて、大丈夫なのか。

踏み出せなかった。

営業先の社長さんが背中を押してくれた。

行ったらええやん、オレが雇ってやる。

バンクーバーへ飛んだ。

英語はできなかった。

少し経ってから、ヒッチハイクで旅をした。

道中、全財産を盗まれた。

無一文の状態で、瞑想に誘われた。

オレ、金ないよ。

お金なくても大丈夫、タダで行ける。

最初に参加したコースは、全然恩恵を受けられなかった。

1日2時間くらいしか座っていなかった。

でも、後から見返した写真。

自分の顔を見たら、顔が違う。

キラキラしている。

 

あれ??

 

次、京都で座った時に、大きな恩恵を受けた。

それから今に至る。

 

電車の中、ここまで書いて、涙が止まらなくなった。

悲しいわけではない。

嬉しいわけでもない。

中道の涙。

なぜだ?なぜ僕は今泣いているんだ?

東京駅で乗り換えて、新幹線の中でも涙腺が制御できない。

ハッとした。

僕は今、失ったことに気づいて泣いているんだ。

失ったもの。

それは、あの場所に満ちていた、メッター。

頭のてっぺんに意識を集中しても、受け取れなかったメッターの波動。

あの場所に、空気のように当たり前に存在していたがために気づかなかった、メッター。

あの場所を離れ、僕は気づいたんだ。

あの場所に在った、確かにそこにあったメッターの大きさに。

情報とは変化であり、無くなって初めて認識できるもの。

人は、経験したことのないものに気づけないのだ。

 

最寄り駅で下車して、自宅までキャリーバッグを引いて歩く。

 

Art of living

 

大丈夫だ。

僕にはそれがある。