お風呂場の壁面には世界地図が貼ってある。
今日、坊ちゃんは自分の膝のあたりとカザフスタンを指差しながら、僕に言った。
かさぶたフスタン
なんか、すごく良くて、笑った。
調子に乗って、他のネタも矢継ぎ早に言ってきたけど、全然ピンと来ない。
断然、かさぶたフスタンがいい。
それが、なんでなのかはわからない。
でも、わからないものほど確かなことの方が多いような気もするんだ。
ほら、好きなことって、究極理由なんてないじゃない。
好きな理由を理路整然と並べられるようなやつって、結局好きなんじゃなくって、「それが好きな人」の枠の中に入りたいだけだよ、きっと。