底知れぬタモリさん

とあるドキュメンタリー番組にて。

 

ポケモンgoやりながら運転してたトラックに轢かれ、息子を亡くした家族に密着。

まあ、悲しくて見てらんない。

父は毎朝日が昇る前に、近所の撥ねられた現場に行って、手を合わせる。

運転手が許せない、厳罰に処してほしい、法律で厳罰化を・・・

息子さんが亡くなって、どれだけたっても、怒りが収まらない。

 

それを観て、なんとも言えないもどかしさがあった。

きれいごとを言えば、天に召された息子さんは父に元気で笑って過ごしてほしいだろう。

でも、現実は父の心がずっと「復讐」で満たされている。

どうしたら、解き放たれるのか。

考えてもわからず、数年が過ぎ、腹に落ちる文章に出会った。

 

戦争が無くならない理由

それは、人間の中に「好き」という感情があるから

それがあるから、好きなモノを他人から奪ってしまう

好きなモノを奪った奴を憎んでしまう

自分の恋人をレイプした奴を「殺したい」と思ってしまうだろう?

でも、恋人のことを、子供のことを好きじゃなかったら、攻撃に転じない

人間の中に「好き」という感情がある以上、この連鎖は止められない

「LOVE & PEACE」という言葉があるけど、LOVEさえなければPEACEなんだよ

その生き方は、限りなく動物や植物に近いな

ただ、「好き」がない世界というのもツマラナイ

どうしたもんかね、これは難しい問題だよ

 

だいたいこんな文章だったと思う。

最近読んだ本、魔法のコンパス/西野さんより、です。

タモリさんが放った言葉らしい。

 

ああ、なるほど。

息子を好きだったから、だからなんだ。

この父にとっては、戦争なんだ。

無くならない戦争と一緒で、この父から「復讐」は消えないんだ。

 

それにしても、タモリさんというのは底が知れない。

控えめなのに、テレビ業界におけるあの圧倒的な存在感は、一体なんなんだろうか。