紙だと読むのにね

社内報、というものがあって。

月一くらいで定期的に紙で配られていた。

その記事を読み、社内には一体感が生まれるのである。

たぶんね。

新聞の記事で読みたいもの。

それは「自分のことが書いてあるか」なのだと、誰かが言っていた。

地元出身のスポーツ選手が活躍した。

日本が世界でグイグイいってる。

全然自分のことじゃないんだけど、でも、なんか嬉しくなっちゃう。

そうするうちに、「ああ、僕は〇〇県民なんだ」「僕は日本人なんだ」って帰属意識が生まれ、育っていく。

ようは、社内報ってのは、その一環。

新聞みたいなもんなんだと思う。

 

最近ね、紙版が廃止されて、電子版のみになったの。

時代ですね。

そしてね、これがもうびっくりするくらい、というか予想通りなんだけど、電子版になってから一回も読んでいない。

紙の時はね、これは義務だなって。

だから、机に配られた瞬間に読んで捨ててた。

不思議だね。

紙だと読むのにね。

物体として存在しないものって、読む義務もないように感じちゃう。

明日、聞いてみよう。

電子版になってから、社内報読んでますか?

机がくっちゃくちゃの隣の先輩に聞いてみよう。

机の上には、数年前の紙の社内報が、平然とそこにまだ居座っている。