そのタイミングでボケるのか

寝たきりになって約半年。

食べることもなく、ただ横たわっているだけの時間を終え、ばあちゃんは永眠した。

納棺師さんによって整えられた顔に、僕の知る面影はない。

肉が落ちすぎて、全くの別人みたいだ。

だからかわからないが、なんだか実感がまるで沸かなかった。

 

夫であるじいちゃんから相当なモラハラを受けていたという、内孫からの証言。

僕は外孫なので、その辺はわからない。

たまに会う程度だったからね。

そのじいちゃんが入院したタイミングでボケ始めたという。

入院したのなら、一人の生活を謳歌できるってことで、元気になるわけじゃねえんだね。

なんかこう、緊張の糸が切れたのだろうか。

それから約6年。

ばあちゃんは施設に入っていて、その間、僕は会っていない。

ばあちゃん、お疲れ様。

ありがとう。

 

平日の疲れがどっと来たのか。

通夜を終え、僕は実家で死んだように眠った。