10分間の貴重なBT

人手がいる。

壮大な大人の水遊びと言えるかもしれない。

下水道プラントの試運転に、ヘルプで参加。

試運転の頭に比べたら、気楽なもんですわ。

そんな気持ちで行くのは、本当はよくないんだけどね。

 

この案件の頭はNさん。

ちょっと前に、大きなトラブルを乗り切ったばかり。

そんで、この二日間で実際に水を流して運転する山場を迎える。

全体を仕切るのは、責任も大きく、大変な作業だ。

緊張感が違う。

自分の2年目を思い出し、ふと感慨に耽る。

 

1日目を終え、最大の山場は明日の午後だ。

そんな話の折、Nさんの上司、課長が来るという。

ほう、何しに来るのか?

 

2日目、課長は来た。

呼ばれていない課長が現場でできることは、基本ない。

昼休み、バタバタのNさんはなかなか休憩所に戻ってこなかった。

12:50、昼作業開始の10分前にNさん帰還。

蒸し暑い中、額に汗が滲む。

10分間の貴重なBT(弁当タイム)である。

そして、あろうことか、飯をパクつくNさんに課長は質問攻め。

咀嚼しながらモゴモゴ回答するNさん。

 

僕は思った。

せめて10分間、まず昼飯を食べさせてやれよ・・・。

 

課長を遮り、電話応対するNさん。

電話が終われば課長への回答が続く・・・。

管理職とは、どうあるべきか。

考えさせられるシーンを目の当たりにした。

 

昼14時前、これから試運転最大の山場を迎えるころ。

課長は飛行機の時間があるからと言って、帰っていった。