濁すなよ

チョンボ発覚以来、何をしてても頭の片隅にはその件がある。

かといって、ずっとそれにかかりきりにはならない。

時間をかければいいという話でもないから。

見つめる鍋は煮えない。

外山さんの教訓に共感。

時間を置く事で、自然に整理されるというか。

夜に作業はしたけれど、昼間は家族と出かけた。

道中、とある建物の駐車場へ入っていくヤマト運輸の車両。

つられてその建物を見ると、なんと「倒産処分セール!」と書かれた紙が貼ってある。

なかなか見ない言葉でさ、「閉店セール!」ならよく見かける事あるけど。

なんの店?ギョッとして思わず振り返る。

それは仏壇仏具の店だった。

おおっ、買わないな、確かに。

がっつりそこにお金突っ込むのは、僕のじいちゃん世代くらいまでじゃないかな?

僕がまだ実家にいた頃、「400万の仏壇を買うたんや」といって自慢していたファンキーなじいちゃん。

子供心に、なぜそんな大金をあのキンキラキンの観音扉の物体に捧げるのか、全く理解できなかった当時の僕。

要は、今売れないんだろうなと。

なんか、閉店と書かずに倒産って書いた気持ち、「俺ら倒産なんだよ、閉店なんて言葉でぼやかしたくないんだよ!」って気持ちなのかはわかんないけど、なんかそんな気持ちで書いたんじゃないかな?

ほら、みんなちゃんと濁すじゃない。

辞めて欲しかったのに「残念ながら退職されました」とか、ただの引退なのに「卒業」って言ってみたり。

だから、なんかその「倒産処分」って言葉に好感を持ったよ。

濁してねえなって。