天井のあるもの

出張、久しぶり。

駅で同行者と落ち合い、タクシーへ乗り込む。

雨でもなく、晴天でもなく、どっちつかずの空。

何気なく、新婚さんである同行者に聞く。

どうなんよ、挙式してから。

知らないんですか?と意味深な返し。

ここで、やめておけばよかった・・・。

現場に到着するまでの車内。

聞けば聞くほど悲惨な話。

ざっくり言うと、元々借金があって、それを嫁に隠してて、籍入れて挙式寸前に「式場へ振り込むお金がない・・・」って至極当たり前のことが嫁にバレて、挙式寸前に離婚した、という・・・。

しかも、2年前くらいから「結婚のためにお金を積み立てていこう」って、二人で約束して、嫁側はコツコツ入金していて。

まず、嫁が可愛そうすぎて、その日ずっと頭の中は仕事どころじゃなかった。

言ってしまったら終わりだから。

だから言い出せないのは、気持ちはわからんでもないけど、でも、イカンって!

 

さらに悲惨な話は続くんだけど、それは置いておいて、この人とは2〜3年同僚なんだけど、普通に真面目に仕事してる印象。

ギャンブルしそうにもないんだけど、何で借金あんの?って素朴な疑問。

答えは「課金」。

ケータイのゲーム?だか何だかで、いっちまったんだと。

こわ、って思った。

昔のゲームはさ、どんなゲーマーでもゲーム機の本体とソフトを買ったら、それをやりこむ時間と電気代くらいだったと思うの。

すげえレベル上げまくって、限界まで極め切ってる人いたけど、ゲーム自体で借金背負うって人はいなかった。

今はそのやりこむ時間というか「努力時間?」をお金で買えちゃうのかな?

 

アイドルの握手券欲しさに1枚でいいはずのCDを100枚レベルで買っちゃうような、そんな話を思い出して。

天井知らずのビジネスモデル。

そこに恐怖を感じます。

 

人間、誰しも何かに依存しながら生きているもの。

どうせなら、天井のあるものに依存していたい。

そう思いました。