何年前だろう。
秋田へ3ヶ月くらい出張したことがあって、休日に同行していた上司と「被災地を見に行ってみよう」となった。
レンタカーで東へトコトコ走る。
どこかの山を抜け、ふっと視界が開けた。
なんにもなかった。
そこにはショベルカーがたくさん動いていて、ダンプカーがたくさん走っていた。
たぶん、そこら一帯に家がたくさん建っていたんだろう。
海岸には、やたらと高い堤防のようなものをせっせと作り続けているようだ。
なんか、今からディズニーランドでも作るような規模だったね……
上司が言ったのか、僕が言ったのか、どっちだったかは覚えていない。
でも、そんな感じだった。
異様なサイズの基礎工事をしているような。
それを見て、なんか、すごく胸に引っ掛かった。
「えっ?」という気持ち。
なぜ「えっ?」と思ったのか、言葉にしてみようと思った。
もちろん、大前提として、被災地の方々は大変な想いをされて……っていうのはあるんだけど。
間違ってたら、ごめんなさいなんだけど。
ここに戻って、住むって人、何割くらいいるの?
僕の実家も田舎なんだけど、若い人は急速に減ってる。
僕の推測でしかないけど、若い人たちでここに戻って住むって人、多くはないんじゃない?
戻る人がいたとして、わりと年配の方たちが、多いんじゃないかな。
その堤防で、次の津波が防げるの?
そのなの、誰にもわからないよね。
その時だって、想定外だったんだからさ。
すごいスケールで工事してるけど、それはいくらかかるの?
そのお金で、県内の被害受けてないところに家を作って、そこに住んでもらうとかじゃだめなの?
「復興」って、生き残った人が同じ場所に同じように住むって選択肢以外にも、あるのでは?
こういう工事にお金をかけるんじゃなくて、そのお金を違う形で使って、被災者へ支援した方がいいんじゃないの?
工事のお金は誰が払うの?
国の借金が1000兆円を超えてる今の状況で、たぶん今から働ける年齢になる人とか、今から生まれてくる人とか……
要するに、「えっ?」に続く言葉っていうのは……
「それでほんとにいいの?」ってことだと、今さらながら思いました。
あの場所は今、どうなっているんだろう?
人がたくさん住んでいるんだろうか?
見に行かなきゃ、いけないね。
そんでもって、何を感じたか、書こう。
さらにそんでもって、じぶんのアタマで考えよう。