肯定グセ

ボルダ、ボルダ・・・。

真面目に登る、壁、壁。

自分のレベルが上がるにつれ、どの課題をどの順序でどのくらいやればいいのか、それを考えるのが億劫になってきたとき。

そう、そういうエネルギーって意外に消費量大きいの。

 

ある日、「これだ!」って手本を垣間見た。

すげえうまい人なの。

その人が、期間限定の課題をイッチバン下の簡単なレベルから順番にやっていくの。

なる、なる、それにしよう。

期間限定じゃなくってもそうしよう。

 

何だろうね、すげー簡単な課題を真剣にやるって発想がなかったわけ。

それは、あれか?

「あいつ、あんな簡単なのやってんの?」って目を気にしてたん?

イカン、イカン。

雑魚いことをバカにせず、淡々と真面目に。

そうやって毎度やり方をルーティン化するだけで、とっても気が楽。

周りからどう思われようが、どうでもいい。

 

いつものように課題をこなしていく。

椅子に座り、肩で息をしながら次の課題を見つめていると、視界がクリップボードに遮られる。

「コンペ出ましょう」

見上げると、店長。

そんなコンペちるほどの力はありませんが。

ボソボソ言いつつも、出走表にフルネームを書き込む。

今までは「出ません」って断ってた。

出たいとは思わない。

でも何で書いたかっていうと、たぶん、肯定グセがついてきたからかもしれない。