夏物セール

もう秋物が売っていた。

夏物セールやってるお店があった。

 

休日、帰宅した奥さんからそんな話を聞き、思わずツッコミたくなる。

あの・・・まだ7月なんですけど。

あのね、暑さのてっぺんはまだこれからなのです。

てっぺんの向こう側の涼しくなった後、今の段階でその服を売るなんて、せっかちにもほどがあります。

ただ、事は違えど、あらゆる分野で同じようなことが起こっているのでしょう。

現代社会の「生きにくさ」は、この現象に集約されるのではないでしょうか。

 

常に先を見越して。

他よりも早く、先回りして。

出来るだけ先まで先手を打っておかなければ。

将来への保身。

未来の不安。

その将来が来ても、その時は「さらに先の未来」への不安で埋められてしまう。

「今」がないがしろにされすぎている気がするのです。

「今」が薄いから辛いんだと思うんです。

夏物セールなんて、まさに「今」の安売り。

 

格差社会の中で、唯一平等なこと。

それは、時間。

伊藤さんの1日は24時間で、佐藤さんの1日は48時間・・・なんて事はない。

そんで、明日まで生きてるかなんて、誰もわからない。

「将来への保身」から「現在の充実」へのシフトチェンジ。

皮肉なことに、これが一番「未来の不安」解消につながる気もするのです。