「青髭、オレ東京へ転勤になった。調達部」
眠気の残る朝の始業前、トイレで入れ違いざまに入ってきたT内さん。
栄転を、さらに180度転がした異動だ。
ハッハッハッ!何処に住むんですか?ー無理やり引き攣った顔で笑って、誤魔化した。
ネガティブな話は、笑いにしちゃうに限る。
T内さんは、数年前、青髭のいた技術部の管理職。
真面目な人、そういう人が鬱病になる。
あの時、45歳くらい。
会社は辞めなかった。
でも、会社が原因だから、良くならない。
出社するようになってからも、以前のような本調子に戻ることはなかった。
なんだか、キレがない・・・。
と、青髭は感じていました。
厳しい言い方になりますが、完全な「お荷物」状態だったと思います。
一旦上がった給料は、おそらくそれほど下がらないのでしょう。
そして、ご自身でそれを自覚していたから、余計に辛かったでしょう。
青髭が先に会社を辞めてから「T内さんも、限界きたらドロップアウトしてください」って言ったことがあった。
間髪入れず、隣の奥さんが口を開いた。
「どうやって生活するの!?」
大学入学を控えた子供二人、家のローン。
会社を辞めることができなかったのだろう。
でもさ、青髭は思うの。
子供たち、大学行かなければいいじゃない。
家、売れないか不動産屋巡りしてみればいいじゃない。
家族四人、みんなで1日8時間バイトしてみたらいいじゃない。
そしたらさ、8時間/日✖️1000円/時間✖️20日/月=16万円
4人分合わせたら64万円。
あらやだ、月に10日も休めるじゃない!
64万円あれば、なんとかなりそうじゃないの!?
おはよう、日本。
贅沢さえ言わなければ、「どうやって生活するの!?」ってほどでもないさ、今の日本。
・・・勝手な意見を言いすぎました。
会社に残るのだから、体調万全で働けるようになるのがベストです。
首都で環境が変わることが、いい方向にいくように、願っております。