シャンプー

物心ついた頃から、脇毛とチン毛をシャンプーしてた。

 

ヨボヨボの抱っこマンの頃から、そんなことしてたわけじゃない。

最初は髪の毛だけだった。

でも、ある日思ったの。

こんなにも特別な雰囲気の二箇所、すなわち「脇毛」「チン毛」はボディーソープでいいのだろうか?

・・・否。

こんなにも主張の激しい体毛は、他にいない。

すね毛、鼻毛、腕毛・・・などなど。

みんな、控えめに佇んでいる。

こいつらは明らかに別格だ。

シャンプーしてやらないと、いけないんじゃなかろうか?

 

疑問は謎の確信に変わり、その日から青髭は「髪の毛」「脇毛」「チン毛」をシャンプーゾーンと設定した。

誰かにちゃんと確認せず、自分で勝手に解釈して間違った行為を犯すのは、幼少からの悪い癖だ。

髭が青いクセに、「椿」のような無駄に高いシャンプーを使っていた。

そして、20歳を超えた頃、友人に「みんなもシャンプーしてるよね?」って聞いてみた。

笑われ、なじられ、否定され、青髭は初めて自分のシャンプーゾーンを世の中の人たちがシャンプーしていないことを認知した。

 

そこで、一瞬、胸に引っ掛かるものがあった。

あれ?じゃあ髪の毛はなんでシャンプーしなきゃいけないの?

その引っ掛かりは、まさに風前の灯火として、消えた。

CMで延々と流される「シャンプーしてサラサラのキレイな髪の毛」のイメージ、「シャンプーは必要」という常識を払拭することはできなかった。

 

そんな青髭も、いくつかの本と出会ったのをきっかけに、半年以上シャンプーもボディーソープも使わない生活をしている。

 

脇毛とチン毛のシャンプー、意味ねえぞ!逆効果。

あと、髪の毛もね。

あの頃の、泡にまみれた自分に言ってやりたい。