下々の民が

なぜ技術を伝承しなければいけないのか?

それは、人が死ぬからである。

人が死なず、その人が延々と同じ仕事を担当するのであれば、その人だけが知っていればいい。

会社でバリバリ仕事する人、質問するとだいたい答えてくれる人。

その人たちの中に、大事なノウハウが詰まっている。

そして、それはその人に聞かないとわからない。

辞書をくってもでてこない。

ネットで検索しても答えはない。

過去の仕事のデータを漁っても理解できない。

会社が経験したことは会社自体が記憶することはできない。

うつろい、揺らぎながら、生き字引の中に溜まっていく。

そして、その人が会社を去った後、またゼロからスタート・・・とならないように、と考える人もいるのだが、そう簡単にはいかない。

生き字引が何十年もかけて経験、体験で培ってきた「本物の知識」というのはそもそも継承などできないのだ、きっと。

伝承などできない、自分の中に一から築き上げていく。

下々の民がその意識でもって取り組み続けること。

これに尽きるのではないだろうか。