感情を殺した表現

仕事して、疲れて、駅まで歩いて。

さて、直近の電車は何時?

電光の時刻表を見ても映っていない。

嫌な予感。

駅員さんに聞くと、「人と電車が接触した」のだと言う。

そんで、電車が再開する見込みが立っていない。

なんて言うか、出来るだけ感情を殺した表現だなって。

イコール、誰かが線路に飛び込んであの世へ旅立ったってことだと思うんだけど。

大変なんだろうな、砕け散った肉片の回収作業やらなんやら。

今日、夜を越えられなかった人がいる。

その思いを伝えたくて自ら飛び込んだのか、はたまた誰かが背中を押したのか。

自らのパターンだったとして。

他にも選択肢はあったわけで。

静かに、ひっそりと旅立つことだってできたはず。

そうしなかったから、僕はこうやって帰るに帰れず、ただでさえ仕事で疲労困憊のところを追い討ちかけられてる感じで。

何の繋がりもなかった、その「電車と接触した人」と僕は「電車の運行」という事象を介して今初めて繋がったのだ。

繋がりたい。

誰かに影響したい。

誰か、僕のことを見てくれ。

その思いに、今夜僕は巻き込まれたのかもしれない。