起きがけに感知した、肛門の内圧。
恐る恐る、緩やかに圧力を解放する。
放出した物体が「気体」であることを確認し、安堵のため息が漏れる。
下痢明けの放屁は命がけだ。
ただ、それも数発の成功で「日常」に戻る。
内圧は感知次第すぐに解放してよし!と標準化されるのだ。
人間、何事もよく忘れ、同じ間違いを繰り返す。
きっと、それが生きるために必要なのだろう。
全てのことを命がけで取り組んでいたら、脳が持たない。
忘れ、軽率に行動し、時々失敗し、反省し、落ち込み、忘れ、そして繰り返す。
生きるために、生き続けるために、人は忘れるのだ。