むず痒さが残るやりとり

異動になった、タクちゃん。

用事があったのか、テクテク歩いてきて、すれ違いざまに言ってきた。

 

そのポロシャツ、Mサイズ?

 

Sやよ、と答えると「ほほう」と少し鼻の下を伸ばすようにして、それ以上聞いてこない。

何か、少しむず痒さが残るやりとり。

耐えきれず、「なんで聞いたん?」と凡庸な返しをしてしまう。

 

いや、スタイリッシュやなと思って

 

素直に嬉しいね。

4〜5年くらい前は、僕もタクちゃんと同じくらいの体重だった。

変えたもんなぁ、いろいろ。

その甲斐があったよ。

たぶん、タクちゃんはそのまま順調に右肩上がり。

僕はというと、ガクンと落ちたり、また上がったり、試行錯誤をしながら、今「スタイリッシュ」と言われる体型をなんとか維持できているのか。

感慨に浸った後、タクちゃんのポロシャツは・・・と、当然なる。

腕周り、胸回り、腹回り、全てパーフェクトのムッチムチ。

お主のポロシャツはコットン版のアンダーアーマーか!?というツッコミができるかもしれない。

 

仕事では順調に上がっていってる、タクちゃん。

プラス、スタイルが良くなれば完璧じゃん!なんだけど、それには食事を変えないといけない。

そんで、それは強制できるものでもないし、するものでもない。

自分を変えることですら、こんなに難しい。

他人を変えるなんて、それこそ永遠のもどかしさ。

できる気がしないね。