お砂場セットがない。
バケツの代役として選ばれたのは、明治おいしい牛乳の空になった紙パック。
公園に入ると、既にお砂場ではとある兄弟による巨大な穴が掘られていた。
さて、我が子。
その兄弟になんの断りもなく、蛇口でおいしい牛乳に水を汲み、その穴に投入するという一連の動作を延々と繰り返していた。
我が子よ、割と間違っておるぞ。
兄弟が帰宅した後、その行為は少しマシになった。
シャベルでその穴を改造する、という工程を挟みながら水を供給していく。
さて、そろそろ夕飯時。
その時僕は水供給係を担当していた。
「あと3回水入れたら帰ろう」と提案した僕。
坊ちゃんは指折りで数え始めた。
苦労して残りの水投入回数を算出した後、その顔が晴れた。
あと22かい!
戦意喪失しながらも、9回目の水供給をしていた僕に「おそいから11かいでいいよ!」と、坊ちゃんは回数を減らしてくれた。
お砂場の水たまりというのは、ある水位以上はなかなか溜まっていかない。
それにしても、どういう計算で「22回」という数字が出たのだろう?