言い得て妙

いきなり、2ページ目で読者はぶった斬られる。

「なぜ、お前はモテないのか?」それを指さされながら断言される感覚。

 

すべてはモテるためである 二村ヒトシさん

 

上野千鶴子さんの本に紹介してあって、これは読まねばと購入した書物。

著者はアダルトビデオの監督さん、解説は東京大学の名誉教授、巻末の特別対談は哲学者の國分功一郎さんと。

もう、「記号」を気にする常人には何の本だか訳がわかりません。

本文には「言い得て妙」が頻発。

読み終わる頃には本が付箋だらけになること、間違いありません。

 

著者は、まずモテない読者に「自らの欲求の深堀り」を求めます。

お前はなぜモテたいんだ?

凡人が恥ずかしくて言えないような直球勝負で、これか?こっちか?と誘導してくれる著者。

男と女の真理に肉薄していきます。

ああ、だからあの人はモテたのか。

だから自分はモテなかったのか。

今まで出会った人たち、「なぜそうだったのか?」が腑に落ち、霧が晴れていくようでした。

 

上野さんが絶賛している通り、女性が読んでも間違いなく面白いでしょう。

私は、どこかで「アダルトビデオの監督さん」という職業を軽蔑していたのかもしれません。

そうではなく、自分の仕事を恥じていないか。

自分の仕事が腹に落ちているか。

自分が何が好きかわかっているのか。

それを堂々と言えるのか。

 

二村さん、最高に面白かったです。

『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』これも読まなければなりません・・・