生きる

手術後1週間の母を見舞う。

吐き気は治まったよう。

集中治療室を出て、リクライニングベッド。

但し、手術失敗の痕が顔に残る。

ビートたけしさんがもう一回バイク事故に遭って、テリー伊藤さんの目の動きを追加したような、風貌。

人間扱いをやめたような、宇宙食のような昼食。

滅入る、そう零していた。

 

母の両親の話になった。

母の母・・・手術前に施設に会いにいった。

「あんた、〇〇〇〇〇に似とるね」

そう言われたそう。

〇〇〇〇〇というのは、母の母の本名。

ボケちゃって、自分に似てるね、そう言っちゃったってこと。

まあ、ショッキングだわな(笑)

「家に連れていってほしい」

そう言われ、午後から仕事だから帰る、そう断って施設を後にしたそう。

 

母の父・・・最近、自宅で糞尿まみれになって倒れていたそう。

叔父さんが発見し、119番。

救急車の皆さん、病院の皆さん、ゴメンなさい。

家の掃除は、叔父さんが。

大変だわさ。

そんな状態なんだけど、預金通帳は叔父さんに渡さない。

そこだけ、しっかりしとんかいな、という話(笑)

じいちゃん、ばあちゃんのためにしか使わないだろうし、渡しちゃえばいいと思っちゃうんだけど。

 

そんな風なら、生きとってもしょうがない。

延命治療はせんといてね。

 

同感。

なんだけど、ボケちゃった時、その気持ちも消えちゃってるってことが、問題なんだろうね。

 

母の父、母。

この二人は「生きている」と言えるのだろうか?

きっと、答えの出ない、難しい問い。