奇抜の向こう側

SWITCHインタビュー達人たち。
好きな番組である。
なんか社会的に成功してる人とか、すげー人とか、そんな二人が対談するという番組。
当然、番組の面白さはその日の二人、人選による。
人選がすべて、と言ってもいいくらいかもしれない。
ハズレの日は、開始5分くらいで消しちゃうこともある。

大当たりの日だった。
山本寛斎×旭川動物園の園長。
まず山本さん、服ヤバい。
奇抜の向こう側。
どんだけキラキラしとんの?この75歳は・・・。
そんで、目もキラキラしてんの。
僕のじーちゃん、75歳の時、こんなキラキラしてたかなぁ。

そんでね、しょっぱな「なんじゃこりゃー!?」って思ったんだけど、山本さんの服装。
腰を据えて観てると、ジワジワ似合ってる。
・・・うん、着こなしてる。
すげぇな。
なんか、素人目にも、ただ奇抜なだけじゃない気がする。
服の世界で言うところ、誰も乗りこなせない暴れ馬を乗りこなしてる感じではないのか!?

園長の話、ジーンとくる。
絶対になつかない野生の熊の子供。
人が見てる前では、絶対に餌を食べない。
死ぬまで食べずに人を睨み付けたままだろう、という。

年老いて、足が腐っていく象。
人のように泣いたり、騒いだりせず、そのまま死んでいった。
いつもと変わらぬ、穏やかな瞳のままで。
死体を調べると、肩まで腐っていたという。
痛くないはずが、ない。

気高い動物の話を聞いている内、自分の小ささが身に染みた。
僕は、なんて小っちゃい生き物なんだろう。
人に飼われ、見世物にされ、外に出ることなど、絶対に叶わない。
その中で、穏やかに淡々と死んでいく。

人間は、いつからこんなに悪あがきをするようになったのだろう。

「この動物を観て『かわいい』と思う私は変ですか?」
寛斎さんが質問する。
園長、答える。
「もし、熊がこの動物を見たら『食べれる』と思うだけ。『かわいい』と思うのは人間が生存競争から解放されたから」
ハッとした。
だらだら過ごす時、なんか刺激が欲しいなーって思う時がある。
スポーツの試合で勝った時、うしゃーっ!!ってなる時がある。
遠い記憶、生存競争の記憶、少しだけ甦っているのかもしれない。

園長さん、すごく自分の言葉を持っていた。
寛斎さん、カッコつけてるはずなのに、全くカッコつけてるように見えない。これはすごい。
二人とも、すごくカッコよかった。

もう若くないから・・・とか
年だから・・・とか
寛斎さんを見たら、そんなこと絶対に言えないね。
年齢は生き方の言い訳にならない。