寝耳に水

目を二重にした

 

えっ??・・・・・・整形したってこと?

うん、言わないのはフェアじゃないと思って。

この前実家に帰った時に。

縫ってあって、元に戻すこともできる。

ずっとやりたいと思ってた。

母には言った。

 

寝耳に水。

ぽかんとした・・・というよりショックだった。

ショック?

奥さんが整形して、何がショックなんだろう?

 

ごめん、なんて言ったらいいか、わかんない。

こう折り返すのが精一杯。

3泊の出張から戻ってきた、自宅での夕食。

父には言ってないという。

手術をしてまで顔を変えたい。

きっと、大多数の男子には、理解できない感情。

少なくとも、僕にはわからなかった。

 

ちょっと頭が冷えてきて、聞いてみた。

奥さんが整形したこと、他の人に言っていいの?

例えばさ、俺の実家行って「あれ、奥さん整形したの?」って聞かれたら、正直に言っていいの?

 

・・・言わないでほしい。

 

??

それは・・・俺に嘘をつけってこと?

堂々とできないことを、してほしくないな・・・

 

・・・わかった、言っていい。

 

んー・・・、微妙な感じだね(笑)

言えない雰囲気だね・・・。

 

夜中1時、目が覚めた。

壁際に風船くらいの黒い影。

巨大なゴキブリにも見える。

いや、ガサガサしてないし、そんなわけないし・・・。

恐る恐る近づくと、扇風機だった。

ファンだけ黒、他が白いので浮いて見えたのだった。

ほっとしたのはいいが、目が覚めてしまった。

 

「整形」で眠れない・・・(笑)

というわけで、僕は今キーボードを叩いている。

 

そもそも「整形」の善悪について、真剣に考えたことはない。

今まで考える必要がなかった、それがしっくりくる。

身近な人に敢えてやってほしいとは思わないし、かといって絶対にやってはいけない!とも思わない。

それこそ、死ぬくらいならやったほうがいいのだろう。

そのくらいのレベルでしか、考えたことがなかった。

 

いざ、自分の奥さんがとなると・・・。

正直ね、やらないでほしいし、戻せるならそれに越したことないから、戻してほしい。

スーパー美人だから奥さんと結婚したわけではない。

体系は維持してほしい、デブにはなってほしくないとは思う。

でも、顔を変えろ、このブスが!とは思わない(笑)

そりゃさ、石原さとみさんは美人だと思うの。

でも、なんだろう。

石原さんが実は整形だった!って知ったら、たぶん見たくなくなる。

この「いじってなさ」を求める男の気持ち、なんなんだろうね(笑)?

「嘘つかれてる、騙されてる」って気持ちになっちゃって、嫌なのかな?

「化粧はいいの?化粧と整形の違いはなんぞや?」って言われると、明確に答えられない自分がいるのも事実。

そもそも「化粧しないほうがさっぱりして好き」とは言ってるけど。

 

あとね、スーパー美人じゃないから謙虚でいられると思うの。

それは、スーパー美人には得難い長所。

 

「整形」はダメ。

そうやって明確に否定することは、できない。

それが嫌な気持ちを明確に説明することも、できない。

なんとなく、田舎の世間的な風潮に流されているだけだとも思う。

ほとんどの女子が整形する世の中だったら、何にも感じていないかもしれない。

でも、現状僕は「整形を肯定」できない、それも事実。

 

そして、一個気になること。

それは、奥さん自身も「整形を肯定」しきれていないように見えること。

僕に話す様子、父に言っていないこと、そう感じる。

 

僕自身、「出来るだけ自分に嘘つかない」をやってる。

この人との関係が崩れるかもしれない。

その気持ちを越えて、腹を括って話す。

最初は少しハードルが高いけど、そのおかげですごく気持ちが楽になってると思う。

そういう意味で、「奥さん整形」というモヤモヤを抱え続けるのでは・・・という、正直嫌な気持ちもある。

 

「言わないのはフェアじゃないと思って」っていう言葉も、よくわかんなかった!

いや、なんとなく言わんとすること、わかるような気もするのだが・・・。

それこそ、事前に言うのが一番フェアなんだろうけど、「反対されるのがわかってるから」事後報告なわけでしょ?

もっと言うと、究極僕が介入できる問題じゃない。

 

すごくいらんお節介かと思うけど。

父には、言ってほしいなぁ。

なんとなく、すごくなんとなく、ね。

 

結局は、こういうことかなと思うの。

僕が「私はこのままでいいんだ」と思わせることができなかった。

日本社会が「あなたはそのままでいいんだよ」と感じさせることができなかった。