苦情

苦情が出た。

なぜか僕にかかって来た速報の電話。

ええと、詳細は聞いていないけど、とある設備を作ったわけだが、その近辺に元々住んでる人がいて、その内のどなたかから「臭い!」って苦情が来たのだと僕は推測する。

また一つ、来週の仕事が増えた。

冷静に考えると、来週の仕事は増えた仕事の方が多い。

こんなに頑張っているのに、そもそも持っている仕事がなかなか終わらない。

ふと、それは当たり前であることに気づく。

そりゃそうだな、増えてる方が多いんだから。

 

さて、苦情とはなんだろう?

僕も苦情を言ったことがある。

住んでる賃貸マンションの中庭。

そこにどっさりタバコの吸い殻が撒き散らされていて、それが嫌だったから。

たまたまマンションの住人が捨てる瞬間を目撃して、「コラァ!!!」って行ったら部屋に引っ込んじゃってピンポン連打しても出てこない。

頭に血が上った状態で管理会社へ「犯人はこの部屋の人」って電話した、という話。

僕の電話応対をする管理会社の人も災難である。

少しして、その住人は引っ越して行った。

タバコ捨てんのやめてくれればいいだけ。

だから、少し後味が悪かった。

「怒り」では良い解決はできない。

「怒り」を出した僕も悪かった。

 

タバコが中庭にポイポイ捨てることが「普通」だと思ってたら、苦情は言わない。

「異常」だと思うから言う。

逆に、そのポイポイの人はそれが「普通」だと思っていたのかもしれない。

外人さんだったし、母国では当たり前の行為なのかな。

とはいえ、その下の階の人は超災難で、ベランダ側にもポイポイ捨てるから、風に乗れば洗濯物にも灰がかかる。

そんな正義感も相まって?僕は苦情を言ったわけだが・・・。

 

「臭い!!」と「タバコ捨てんな!!」って二つの苦情。

この苦情という行為を考えたとき、共通するのは「自分ではなく他者に変わることを求めている」ということ。

臭いなら臭くないところへ引っ越せばいい。

タバコポイポイのマンションが嫌なら、そうじゃないところへ引っ越せばいい。

いや、そんな簡単に引っ越せませんがな!

 

そうなんだけど、でも、他者に変わることばかりを求めていては、たぶん、将来は明るくない。

引っ越したとしても、必ず嫌な出来事は起こる。

嫌な状況になることもある。

苦情ではなく、愛のある依頼。

それでもダメなら、自らが変化。

自分が「常」であろうとするから行き詰まる。

自分が「無常」であれたなら。

究極、それができれば明るくない状況にも光が差す。