過剰なモノ

初めてゲストハウスというジャンルの宿に泊まった。

よかった。

建物はかなり古さを感じるけど、とてもアートな雰囲気で、いるだけでも楽しかった。

誰かが魂込めて作ったモノって、ちゃんとハートにドカーンとくる。

 

さて、寝床は「10人男女混合ドミトリー」って部屋だったんだけど、慣れない感じでうまく寝付けなかった。でも、新しい体験に対してワクワクしてて、イヤではなかった。

夜中に北海道で震度6くらいの地震があったらしく、会社から自動送信でやってくる「安否確認」のメールが飛んできた。

すごい時代だ。

 

それから暫くして、すごく大きな揺れを感じ、目が覚めた。

ここは関西。この地域までこんなに揺れるなんて、なんて規模の地震なんだ!?と思ったら、二段ベッドの上の人が揺れてただけみたい。

二段ベッドの下で寝るなんて、もしかしたら初めてかもしれない。

 

みんな気を使って静かにしてたし、僕も普段おもいっきり放屁するところ、音を立てずに解放するくらい気を使った。

 

これで2100円……「かなりアリだわさ」って思った。

いくら建物が古いとはいえ、混合ドミトリーとはいえ、この立地でこんなに安いのか考えてみた。

 

①できるだけ自分でやる(シーツはチェックアウト時に自分で外して専用のボックスへダンクシュート……など)

②生活設備を共有(トイレ、シャワー、キッチン、くつろぎどころ……などなど)

 

管理者にしてみても、ホテルのフロントみたいにずっとどこかに固定でいるわけじゃなく、だいたいどこにいるのかわかんない(笑)

着いたはいいけど、どうやってチェックインすんのよ!?みたいな。

玄関でしばらくオロオロして、ようやく「御用の方はこの携帯の番号かけて」みたいな紙が置いてあんのを発見。

電話かけたら「そのまま進んで突き当りを右」だって(笑)。わかんねーよ!

 

軽く、中を案内してくれた。チェックアウト時はこの箱にカギみたいなやつ入れて帰って……だって(笑)。ユル、ユル。

タオル使ったら100円。歯ブラシ50円。勝手に使っていいから、お金ここのコップみたいなやつに入れといて……みたいなフリーな雰囲気。

 

でもさ、泊まってみて思った。

普段使うビジネスホテルだとさ……

 

一人、一人の部屋にバスルーム、トイレ……なくてもいい気がしてきた。

いつもフロントにホテルマンが2人以上待機……必要なのは、チェックインの手続きくらいかも。

部屋に一台、フロントに繋がる電話……かける必要ないな(笑)

 

なんか、あるのが普通と思ってたモノ達が、急に「過剰なモノ」に思えてきた。

その「過剰なモノ」へ過剰な値段を払ってるとしたら、なんかちょっともったいないなって気もしてきた。

僕は、今までホテルの「ナニ」に対してお金を払っていたんだろう。

ちゃんと、考えた事なかったな。

その「ナニ」は僕が必要としていたサービスなんだろうか?

相場がこのくらいだから、まあええわ。ここ泊まろ。

そのくらいの感覚でしかなかった。

 

なんか、今までの「泊まり」って、すごく贅沢をしていたかもしれない。

1泊2100円で、じゅうぶんだな。

金額は下がったんだけど、自分自身はワンランク上がった気がするよ。

何が上がったのか、よくわからないけど。

 

ちなみに、ラブホテルに男子一人で宿泊した先輩は、部屋にジャグジーマッサージチェアー、サウナが付いてたらしい。

サウナのスイッチONしたんだけど、思った以上に暖かくなんなかったんだって。

それはそれで、面白いよな。