10年くらい前の話。
ある日、大学の研究室にいると、先生が入ってくるなり、唐突に言った。
「海洋深層水って、いったい何やぁ!?」
確かに。先生は膜の研究ではかなり権威。
海水を淡水化する膜とか、海水を淡水化まではできない膜とか・・・いろいろあるんだけど、膜分離の原理・機構についての研究実績がある。
その先生のコメントだが、要するに
「海水を淡水化するってことは、ほぼ真水でないの?」
ということだと思う。
海洋深層水って言うからには、それは海水だよね?
海水って、猛烈にしょっぱい。それは、NaとCl(塩)がたくさん溶けてる水だと思うの。
海水はしょっぱすぎて飲めないよね?
「海洋深層水は体にイイヨ!飲みなっせ?」ってことは、飲めってことだよね?
塩が無くなってるってことだよね?
塩が無いってことは、NaとClという原子レベルの除去をやってるってことだよね?
それは、ただの真水(純水)と何が違うの?
そんな激烈にしょっぱい水から純水を作るより、水道水から純水を作った方が、よっぽど楽なのでは?
除去しきれず、ミネラル分が少し残ってて、それがいい感じなんです……とか?そんな理由があんの?
あれから10年くらい経つけど、今でもたまに目にすることがある。
要するに、何が言いたいかっていうと。
「海洋深層水って、何?」ってこと。