台風到来。
家に籠って息子と夏休みの宿題と格闘する。
昼過ぎに耐えかねた息子が「台風散歩に行きたい」と言い出した。
並みの親であれば冷静に止めるであろう。
しかし、僕はれっきとしたバカである。
束の間、雨が止んだタイミングで息子と歩き出す。
涼しい、久しぶりの「涼しさ」が外気に宿っていた。
閑散とした街並みに興奮する。
近所のデパート、売店ですら閉まっている駅構内をふらつき、再び降り出した雨にカッパで対抗しながら帰路に就いた。
暇そうに掃除をする駅員さん、辛うじて営業しているお店の暇そうな店員さん。
退屈をやりすごす姿がそこにあった。
その長閑な風景に、なんか、たまにはいいなあって思う。
圧倒的な自然の力に為す術のない僕たち。
中には、この天気の中、一人で足場組立の仕事をやってる人もいたけれど。