愛想笑い

最近、とある八百屋さんでブロッコリーが激安。

でっかい塊が2房で138円とか、そんなもん。

今日も行きます、走って行きます。

着いたのは、店仕舞いの最中。

シャッター前に並べられた品がどんどん片付けられていく。

回収寸前のサツマイモを一つ手に取る。

作業をしていたジャイアンみたいな体型のお兄さんと目が合う。

眼が、イっちまってる。

作業の手を止めてまじまじと見られ、こちらも体が動かない。

数秒の間をおいて、お兄さんの口が開く。

 

オニーサン、ガイコクジン?ニホンジン?

 

おっ、お前こそ、ガイコクジン!?

「にっ、日本人ですかね・・・」マスクの下に愛想笑いを浮かべ、レジへ向かう。

まだまじまじとガン見してくるお兄さんの視線を背に、僕は家路についた。