風呂にも入らず、泥のように眠って、目が覚めた土曜日の朝。
睡眠負債が溜まりすぎていて、一晩まともに眠ったくらいでは身体が回復しない。
朦朧としながらも起き上がった僕に対し、奥さんは今から友人と宴会へ出かけるという。
そんな話はお構いなく、僕は走りに行くと宣言。
取り残されるか、それとも追従するかの選択を迫られた坊ちゃんは、「追従」を決断。
秋が深まってきた朝の寒さの中、僕はラン、坊ちゃんは自転車で10 km先の半島の先端へ。
「とおいね」「どこまでいくの?」と言いながらも、上り坂以外は僕のランに付いてきた坊ちゃんは立派である。
折り返し地点は夏に海水浴場として賑わう、見晴らしのいいビーチ。
雲ひとつない晴天。
「あそぼー」と言い、坊ちゃんはその波打ち際で流木を立てたり、流木に貝殻を載せたり、水路を作ったり、最後は流木を倒して海へ放ったり、というとても想像力豊かな遊び方をしていた。
僕は僕で変な流木を集めて坊ちゃんへ支給したり、海岸に落ちている石を右投げ、左投げ、交互に海に向かってセットポジションから投石しながら延々と歩く、という非生産的な作業を繰り返した。
1時間ほど豊かな海の時間を満喫した僕たち。
右肩はだいぶあったまってきていて、投石の距離が伸び始めた頃、坊ちゃんの「かえろー」って号令で復路10 kmへ。
いやぁ、やっぱいいですね、仕事以外の時間は。