ヨットのオッサン

海岸沿いの船着場。

いつもは空の場所にヨットが一艘。

おや?と坊ちゃんが反応し、自転車を停めて駆けていく。

 

乗りな、と気さくに応じてくれたおっさん達3人。

拳二個分ほどの岸とヨットの隙間。

臆病な坊ちゃんは当然これを自力では超えられない。

ワシを抱き上げてヨットに乗せんかい!と僕を振り向く。

はいはい、やりますよ・・・。

 

ヨット内ではしっかりとビールっ腹を出したおっさん、そうでないおっさん、皆ぐでんぐでんに出来上がっている。

ヨット内を好き放題散策する坊ちゃんを尻目に、僕にはお酒を勧めてくれる。

まあ、乗せてもらっといて、ここで断るという選択肢はないわな。

優雅な三人。

県内のとある波止場から4〜5時間かけてここへたどり着いたという。

そんで、徒歩でサンヨネ行って買い出し。

結構距離あるじゃん、なんだけどちょうどいいのだという。

 

皆おじいちゃんになっててもいいくらいのいいおっさん、というかおじいちゃん?

わからないけど、楽しそう。

土曜にヨットで海へ繰り出し、ここで停留してサンヨネ宴会。

いいですねぇ。

いい休日だよな。

 

一頻り散策を終えた坊ちゃん、「でる」と一言。

御礼をしてサッと撤退。

翌朝8時頃にお礼の品を持って訪れたが、既にヨットの姿はなく。

オッサン達の朝は早い。

まあいい、今度見かけたら渡しましょう。