ヨメがうつになりまして4

二つ目の卵を割ることができなかった。

立ち尽くした奥さんの頬を、ボロボロ涙が溢れていた。

できない・・・。

どうどう、どうどう。

さあさ、布団に戻りましょ。

卵焼きは、作っとくからさ。

 

引き継いだ、坊ちゃんの保育園のお弁当。

確実に雨で中止になるであろう遠足のお弁当。

 卵を割って、割って、割って。

マゼマゼ、ニギニギ、ノリ巻いて。

 

今まで、平日は坊ちゃんに時間使っていなかったなぁ。

全然使ってなかった。

 

卵が割れなくなっちゃった、奥さん。

異変には気づいていたのに、何もしてあげていなかった僕。

ごめんね。

まあ、ゆっくり休んでよ。