うん、昨日より回復してる。
ペットボトルのキャップを回せるようになった自分の握力に対して、無駄にウンウンと一人頷く。
ゴミ拾いが終わって自宅に戻り、一息ついていたところピーッピーッと洗濯機の「通常モード」が完了して、続けざまに玄関のドアがガチャガチャ鳴る。
そうだ、鍵かけなくてよかった。
外してやると、坊ちゃんが雪崩れ込んでくる。
見て見て、と小風呂敷で包んだ弁当箱のようなものをアピールしてくる。
中身を見せようとして解こうとしているのだが、逆に締めている。
さらに締まった小風呂敷を広げると、包まれていたのはチョコレートだった。
何だろう、この扱い方は。
そこは深く考えずに軽く流して、洗濯物を干しにかかる。
結果から言うと、ここで少し考えるべきだった。
昨日とは打って変わって、洗濯日和。
淡々とマイペースで干していると、洗ったばかりのシーツにチョコがついている。
あれ、俺さっきアイスクリーム食べた時にこぼしたっけ?と振り返っていると、洗濯物の陰からベランダではしゃぐ坊ちゃんが見えた。
よく見ると干したてのTシャツやその他もチョコにまみれている。
坊ちゃん、そのチョコはあなた?
僕がゴミ拾いをしている間、コンセントから供給される電気を頼りに自動運転していた洗濯機。
彼は、何のために通常モードをこなしたのか。
児童館いくー
恒例となった、児童館参り。
奥さんも同行して3人で。
駐車場に着くと、勢いよく先に一人で駆け込んでいく。
そうまでして行きたい場所があるというのは本当に幸せなことである。
コロナ対策に目を光らせる館長に萎縮しながら、今日は昼前にお医者さんごっこなる遊びをした。
まずは奥さんがお医者さんで坊ちゃんが患者。
僕はそれを眺める助手のような存在だろうか。
2回目は奥さんが僕に患者役を振ってきた。
ここは自虐ネタでいこう、最近「薄毛は医師へ」なんてポスターも見かけるし。
抜け毛が多くて・・・と症状を訴えたところ、医師役の奥さんが塗り薬をくれる。
それを頭のてっぺん辺りにヌリヌリしながら、しまった!と気づく。
さっき、僕よりも薄いんじゃなかろうかという父を見た。
目を伏せたまま、恐る恐る眼球だけを右にずらす。
いた。
フサフサの息子さんの子守をする薄々のお父さん。
前も、こんなことあったよな。
薄毛を自虐ネタにしてたら、隣にスキンヘッドの人がいたという事故。
事故って、物理的なものだけじゃない。
帰宅して洗濯物を取り込むと、干していたズボンにもしっかりチョコがついていたとさ。