劣化しない香り

コロナで出勤制限が敷かれる中、タクちゃんから依頼。

印刷して、会社の前で渡して欲しいんだと。

自宅だと、大量にプリントアウトすんの、ちと厳しいのよね。

1年ぶり、インフルエンザ以来のパス作戦に、車で颯爽と現れた、タクちゃん。

「ほれ、差し入れ!」

気を使って、お菓子と飲み物を買ってきてくれた。

気遣い、ですな。

そのお菓子をできるだけ周りに配り、残ったコーヒー。

香り高きなんとかかんとか、ラベルに書いておる。

どれ、飲んでみると、確かにいい香り。

こういうコーヒーのレベル、昔に比べて明らかに上がったよな、そう思う。

でも、なんか引っかかる。

強いて言えば、「香りが良すぎる」とでも言えようか。

どこか、違和感を感じる。

 

翌日、飲み残したブラックコーヒー。

室温で放置して、さすがに味が落ちてるだろう。

そう思いつつ口に含んでみる。

逆方向の驚き。

味、変わってない・・・。

ここで、ペットボトルの中身に対し、不気味に思う。

これ、コーヒー自体の味じゃない。

原材料名を見ると、コーヒーと香料。

これだ、香料。

おそらく、劣化しない、人工的に合成された香料。

僕は一体、何を飲んでいるのだろう?

自分でコーヒー淹れるから、わかる。

普通、朝に淹れたコーヒーは夕方には味が変わり始める。

翌日には、思いっきり味が落ちている。

でも、このコーヒーは。

なんだか、ここまで進化しすぎてると、嘘つかれてるように感じちゃう。