席に戻ると、メールが一通。
「○○の図面をください」
あれ?昨日説明しなかったっけ?
送信主の席へ歩く。
すみません、データで送られてきた図面の解像度が低くて文字読めないから直してくれって依頼してて、大した話じゃないんですけど、一週間以上待っても図面が出てこないんですよ。
発注先へは督促入れているんですけど……
昨日と同じことを言うと、送信主は怒っていた。
きつく言わなきゃダメだ。
三日後までに必要だから、明日までに必ず出せって言わなきゃいけない。
わかりました。そう言って去ろうとすると、引きとめられ、同じようなことを2回くらい繰り返し言われた。
席に戻り、電話を取る。
……やっぱり、電話するの辞めた。
イライラしてた。
その状態で電話するのも、なんか違う気がする。
帰る。
発注先は商社だ。
だから、商社もメーカーに依頼する立場。
挟まれる立場だ。
その辛さは、わかる。
商社を怒鳴りつけて、何かいいことあるだろうか?
大学の恩師の言葉「人間な、『やれ!』って命令されてもやらんけど、『お願いしますぅ~』って頼まれたらやる」という言葉を時々思い出す。
きつく言うのは、無しだ。
お願いするだけ。
そんで、図面が出てこなかったら、それでいいじゃないか。
送信主が再び怒るだけで、それで誰かが死んでしまうってことも、きっとないだろう。
すみません、期日までに図面出てきませんでした!しょもももももー!!!
図面の解像度が低いまま、ブっ込んじゃいましょうか!?
って、明るく元気に言えるような、そんな人間を目指そうと思いました。