のどげ

鏡に映った自分。

首に違和感を覚える。

いや、喉のあたりか?

パソコンモニタの見過ぎで落ちた視力。

その画像で拾った違和感。

ぐい、と首を突き出して鏡に映るピントを合わせていく。

 

わかった、毛だ。

毛がヒゲみてえに濃くなってる。

はぁ、歳とったなぁ・・・。

喉にまで髭剃りを当てながら無音のため息が漏れる。

子供の頃に見たとーちゃんの喉。

おんなじくらいの歳になったんだなぁって。

 

それにしても、喉の毛なんてガッチリしなくっていいんだよ。

それよりも、頭!髪の毛!!

 

人は、自分の身体にさえ意思を伝えることさえできない。

そう考えると、他人とうまく意思疎通できないなんて、あったり前だよな。

なんだ、所詮無理なこと。

そう思えたら、気楽になって逆にうまくいくかもね。