いらっしゃいませありがとうございます118円になりますレシートご入用ですかありがとうございました〜
名古屋駅、平日の朝。
地下鉄改札を出てすぐのコンビニでお会計。
一連の所作で、視線が一切合わない。
鉛のような身体のだるさ、眠さがレジの向こうから伝わってくる。
自動販売機と変わらない。
そんな気持ちになった。
かたや、コンビニでも愛想良く楽しそうに対応してくれる人もいる。
いらっしゃいませ、こんにちわ!
この前、思わず小さく「こんにちわ」と返してしまった。
もう一つ、同じような話。
平日の朝、早い。
早くなくてもいいのだが、だいたい始発で出勤する。
無駄にせっかちなのだ。
少し遅れて、清掃の人がやってくる。
大企業だ。
何でもアウトソーシングしてしまう。
まあ、ビルの家賃に含まれているのかもしれない。
「電気つけてもいいですか?」
「一つだけ残して消しておきますか?」
気を使ってくれるおばあちゃん。
テキパキ掃除をこなす。
・・・無言のおじいちゃん。
顔の角度が、低い。
俯き気味で、のっそり床に掃除機をかけていく。
「〇〇さん、そこもう終わったよ!」
テキパキおばあちゃんからダメ出しを食らう。
無言で移動するおじいちゃん・・・。
「引け目」が有り余っている。
こんな仕事をしている自分、恥ずかしい、情けない。
知人に見られたくない。
そんな塊にしか見えない。
結果、誰も気持ちよくなれない。
思うのは、こういうこと。
仕事って、職種じゃない。
落ち目の業界か、将来性があるか、給料がいいか、辛くないか。
そうじゃない。
こうだと、思うの。
誰とやるか、自分がどうやるか。
ハートを込めてやれるか。
僕の仕事、どうでもいいことかもしれない。
誰がやっても、大差ないかもしれない。
時々、ふとそう思う。
そんな時、このおじいちゃんの姿が頭に浮かぶ。
お前は、あんな掃除をするのか?
この気持ち、忘れてはいけない。