ゲボにティッシュ一枚

ゲボでちゃった

 

人間、4年以上生きると自分のゲロにムカつくらしい。

隣の部屋から僕を呼ぶイライラ声に応え、腹を括って入室。

畳の上に、ゲロの湖が広がっていた。

さっきまで、プラスチック容器の中でよく冷えていたミカンゼリー。

蒸し暑い梅雨の空間に解き放たれていた。

これをキレイにしなければならない。

そういう気持ちは、坊ちゃんにも「毛ほど」はあるらしい。

ティッシュを一枚、湖の中へ放り込んだ。

焼け石に水」とは、まさにこのことである。

いや、今こそ新たな諺を提案したい。

 

ゲボにティッシュ一枚

 

ゲボ回収作業を開始した僕を見届けると、坊ちゃんは去っていった・・・

子育てって、こういうことだよなぁ。

でも、不思議と「ゼッテーやだ」とは思わない。

人間、「自分がやらねば」という状況では、やるのである。