出処進退のモラル

垣根涼介さんの「君たちに明日はない」シリーズを読破。

全5巻。

リストラ請負会社に勤める真介が、主人公。

毎度、とある企業に出向いてリストラ候補者と面接し、退職を迫るという短編集。

面接は一人ずつ全3回。

それが終了するまでに、被面接者は会社を辞めるか残留するかを決めなければならない。

猛烈に簡潔に説明すると、あらすじは以上。

 

毎回、気になる被面接者が一人いる。

その人が真介との面接を通して、悩みながら自らの進退を決めていく。

事がことなので、自然と自分の仕事観、人生観を深掘りせざるを得ない。

人間、意外と自分の一番根っこ部分をパッと言語化できない。

 

辞めるのが正解、残るのが正解、どちらでもない。

一番大事なのは、この言葉に尽きる。

「その時本人が納得できるかどうか」

 

垣根さんが描き出す、各人の決断。

決断に至るまでの気持ちの変化が、とても面白い。

自分だったら・・・即「辞めます」だな(笑)

 

これからの時代、今更言うまでもないけど、どんな歴史のある大企業でもいつポシャるかわからない。

最近の話だと、トヨタ社長と経団連会長が「そろそろ終身雇用ムリ」のギブアップ宣言したしね。

この本を読んで、いつ来るかもしれない会社人生の岐路をイメージしてみるのも、良いのでは?

 

5巻も続くと、登場人物に愛着が湧いてきちゃう。

長い話ほど、終わる時は寂しいものですな。

 

求められる仕事とは何か?

自分のやるべき仕事とは何か?

どういう仕事が向いているのか?

引き際はどうあるべきか?

自分にとって大事なことは何か?

 

どう生きるべきか?

このシリーズを通じて、いくつもハートにズドーンとくる言葉があった。

現代サラリーマン、必読の書です。