値段というのは不思議な数字

髪を切りに、奥さんと息子と三人でぶっ込む。

まず、奥さんが毛を染め、息子の髪を切る。

そもそも髪を切りたくないと言い張る息子をたしなめつつ、僕が抑えこみながらの共同作業。

美容師さんがぼやく。

 

子供カットが安いという意味がわからない。

手間が3倍なのに。

 

確かに・・・。

でも、子供のカット料金が大人より高いと、誰も支払わないよな・・・。

たぶんさ、電車の子供料金みたいなさ、そういう感覚が地続きになっちゃってるんだよ。

 

独立開業した美容師さんで、今日が初めてのぶっ込み。

前の雇われ時代の話を聞く。

オーナーのカットの方が値段高かったよね、って話をすると、別にオーナーのカットが上手いわけではないのだという。

値段というのは不思議な数字。

なんていうか、その価値を正確に数値化したものではないというか。

あくまでも空想の世界というか。

でも、今の世の中って、お金で買えるものが多すぎるから。

だから、その値札が圧倒的な意味合いを持っちゃうんだけど。

でも、ちゃんとこういうことを念頭に置いておいてさ。

お金は大事だけど、でも、お金は人間が最近発明した代物であって、これはただの数字であって、数字だって、人間が最近発明した代物であって、結局は、人間の共通の空想の世界でああだこうだ言ってるだけなんだぞって。

ちと長いけど、なんか引っかかる値札を見たときは、ちゃんとこうやって一呼吸おきたいなと。

そう思います。