ないならないなりに、人は考えるもので

さて、奥さんと坊ちゃんはしばらくいない。

冷蔵庫の中身。

仕事と家の掃除がある程度キリついたところで、使わねばならぬものを確認する。

豆腐、ニラ、油揚げ。

全部ブッ込んで汁にしよう。

さて、まな板がない。

削るからと言って、奥さんが実家に持ち帰った。

豆腐は切れる。

そもそも手の平に乗せて切るしね。

問題はニラと油揚げ。

切らずに鍋にブッ込んでみたけど、デカすぎてモフモフ状態。

全然沸騰した汁に浸かっていない。

かと言って、もう一個まな板を買うのもなんだかね。

 

ないならないなりに、人は考えるもので。

鍋に投入した油揚げを恐る恐る摘み上げ、キチンバサミでバッサバサテキトーに切っていく。

ニラも切っていく。

出汁とって具入れて醤油と塩で整えただけの、ブッ込み汁。

これがバッチリ美味い。

 

料理するにはまな板が必要だ!

包丁も必要だ!

鍋も必要だ!

 

全部、幻想。

ただの思い込み。

今持っているもので必要なものなんて、一つもないのかもしれないね。