帰宅すると、家の前に公園に坊ちゃんと、もう一人子供。
砂場の側の木の上に乗っかって落ちてこないサッカーボールを取って欲しいという。
見上げると、赤いボールが木の枝に引っ掛かっている。
生い茂った木の葉が暑い陽射しをほどよく遮ってくれている。
さて、棒かなんかで突こうか・・・。
見渡しても使えそうなものは目に入らない。
なぜか木の下に凱旋門のように四つ脚で組まれている単管パイプに目が止まる。
これ、登れそう。
置いてあったベンチを足場に、パイプを掴む。
天井を這うようにボールに迫る。
両足をパイプに引っ掛け、残りを左手で支えながら右手でボールを掻き出す。
おおーっ!!
下から歓声が上がる。
嬉しいね、ちょっとしたヒーローになった気分。
構造物に対して「登れるか?登れないか?」で見るクセがついている。
ボルダリング技術が私生活でも役に立ちましたという話。