それが心地いいの

自分の6分の1くらいしか生きてきていない子供。

小学校3年生くらいだろうか?

その子、しかも女の子が軽々と登り切る。

その姿を呆然と見上げる、僕。

そこにいるのが恥ずかしくなるくらい、ちょっと立場ないんだな、これが。

ボルダリングジムに通い始めて3ヶ月目くらい。

 

なんか、価値観が揺さぶられるよ。

僕はこの子より長く生きてるだけなんだなあって。

いや、そんなに単純に比較する必要もないんだけど。

でも、ここでは僕の先生。

ボルダリングというジャンルでは、僕よりも上であり、学ぶべき対象。

 

ここでは僕はただの初心者で、不器用でヘッタくそなおっさん。

物心ついてないようなもっと小さな女の子が不意に話しかけてきたりもする、変な空間。

誰も僕の仕事なんか気にしてなくて。

誰も僕の会社なんて気にしてなくて。

誰も僕の収入や学歴なんて気にしてない。

誰も僕が誰かなんて気にしてない。

なんかね、それが心地いいの。

みんな、でもないかもしれないけど。

でもほとんどの人がこの無駄に困難な壁をクリアしたくってやってくる。

 

偉ぶっちゃいけないなぁって。

襟を正してくれる場所でもあるのです。