第2戦総括、甲斐捕手はど真ん中にミットを構えた

結果的にはワンサイドゲーム

日本シリーズではできれば見たくない。

贔屓のファンは喜ぶだろうけど、中立の立場としては試合終盤まで集中力が切れない試合が観たかった。

 

試合自体は終始ホークスペース。

唯一の反撃は5回のウィーラー選手の2ランHR。

アウトローギリギリのストレートをライトスタンドへ。

全打者へのカーブがすっぽ抜けてデッドボール。

それを踏まえてアウトコースのストレート系に絞っていたのだと思う。

その状況でもなおカーブでストライクを取った石川投手、さすが。

マウンド度胸抜群。

その後のアウトローを捉えたウィーラー選手を褒めるしかない。

 

印象深かったのは、7回ホークス栗原選手の打席。

粘った末のカメラマン席ギリギリに入るサードファールフライを、岡本選手が掴みかけながら落としてしまう。

ジャイアンツベンチに、いや〜な予感が漂う。

さらに数球ファールで粘った後、強烈な当たりをショートへ内野安打。

坂本選手のダイビングキャッチも実らず、セカンドコースアウトならず。

確信する。

やはり、この男は今回のシリーズ男。

直後のデスパイネ選手の満塁HRでジャイアンツの集中力は完全に切れてしまった。

 

余裕、なのである。

7回以降は荒削りな若手有望株が投げ繋ぎ、悠々と試合を締めた。

組織としての、強さ。

それを2戦目で感じた。

ここ数年、プロ野球の情報には疎い。

知らない選手の方が多いくらいだ。

でも、変わらない。

ホークスではイキのいい若手が這い上がってくる。

ショートって今宮選手じゃなかったっけ?

僕の記憶では絶対的なレギュラーだった気がして、歳もそこまでいってないような・・・なんだけど、試合に出ているのは周東選手という、もうボロカスに足速い選手。

ショートでここまで足速い選手、いないんじゃないかな?

とにかく足の速さが飛び抜けていて、グラブ捌きだとかスローイングだとか打撃もそうだけど伸び代がまだまだありそう。

 

意外とできないことなのだ。

野球ではレギュラー10年以上張り続けることがざら。

実力に加えて圧倒的な経験が加わると、なかなか下にいる選手はチャンスを掴めない。

腐らずに挑み続けることは難しい。

おそらく、チャンスを与え続け、公平な評価をしている。

這い上がっていった選手を見て、「俺も!」となる。

レギュラーだってウカウカしてられない。

常に健全な競争がある。

あれだけの実績がある内川選手、たしか今年限りで退団すると聞いた気がする。

第1戦の先発、千賀投手は育成上がり。

第2戦の先発石川投手もまた、育成から這い上がってきた選手。

キャッチャーの甲斐選手もそうだ。

強さがある。

元々失うものなんてないよって。

 

いいシーンがあった。

リリーフの高橋投手、フォアボールで満塁とし、迎えるは中島選手。

ベテランは冷静に見極めてカウント1ストライク3ボール。

甲斐捕手は2度頷き、デーンとど真ん中に構えた。

そこにきたボールを中島選手は見送る。

もう一球、同じ。

サインもクソもない。

なんの変哲もないただのストレートが真ん中に来て、空振りでチェンジ。

その小細工のない、ただの「打たれてもいいから思い切ってこい!」という懐の深さと覚悟。

色々事前に考えてたくさん準備するんだけど、現実は想定通りには絶対に行かなくて、最後はただ「仕方がない」という現実。

このハイレベルの野球であっても、そこは普遍。

なんか、そこがよかったです。