高校野球が終わると、球児の6〜7割は腐っちゃう。
真面目にバット振ってきて、そのエネルギーをどこにぶつけていいのかわかんないの。
僕は高専だった。
高校の3年が終わった後も、残り2年ある。
この2年を真面目に野球する人なんて、いない。
趣味、楽しみ、軽い運動がてら本気でやってる高校メンバーに混じってデカいツラしてるだけ。
もちろん、そうじゃない人もいるけどね。
その腐った2年を、どうにか腐り切らずに過ごし、僕は大学3年に編入した。
野球をまともにやらなかった2年を後悔してた僕は、野球部に入った。
試合のために、準備をした。
その最初の紅白戦でホームランを放ち、僕は野球部を辞めた。
なぜか?
それは、ホームランを打ったのに、びっくりするくらい嬉しくなかったからだ。
高校野球の時の、胸の高鳴り。
それは、プロのスカウトが見にくるような投手から打つ喜びだったり。
県の優勝チームと接戦を演じる時だったり。
そこには超えがたい壁があった。
そこを超えたいと思って、必死こいてバットを振った。
そんなに練習してないよってツラしてるチームメイトも、家で隠れて練習してた。
なんやかんやで、みんなの気持ちは一つだった。
ただ、勝ちたかった。
そのために、バットを振って、ボールを投げた。
僕の入った大学のチーム。
そう、そこにはそれがなかった。
ろくに練習もせず、ただ試合をする。
そこには「本気」がなかった。
魂もなかった。
草野球も、一緒なんだよね。
それがわかっただけでも、良かったのかもしれない。
僕の選手としての野球は、終わった。
完全に、そこで終わったのだ。
魂を込めずにプレーすることができなかった。
それは、野球を愛していたから。
そうだからなのかもしれない。
日本で高校の全国大会が全試合生放送される競技なんて、他にないんだよ。
野球って、すげーおもしれえんだよ。
でも、それはプレーヤーが魂込めてるからなんだよ。
1試合に込める魂が違うから、だから所詮プロ野球の大概の試合は高校野球に勝てないんだよ。
技術は、はるかにプロの方が上なのにも関わらず。
今年の高校3年のベースボーラーへ。
腐っちゃうよな。
なんで今年なんだよってさ。
なんでなんだよって。
いいよ、腐って。
でも、必ずくるから。
reviveするきっかけが。
そのとき、それが「次の野球」になるかどうか。
そうなってほしい。
ならなくてもいい、トライしてほしい。
魂を込めないと、他人からは評価されない。
評価される人に、なれ。
見せようじゃないの、野球の底力を。