離れたからこそ、分かること

さーこーいっ!!

 

ガッ、という鈍い音とともに、掛け声のもとへボールは転がっていく。

跳ねない、球。

鈍い、音。

硬式の野球だろうか?

日曜日の公園の一角、野球場で守備練習。

「お前ら、硬式やっとんやぞー!」というノッカーからのゲキで、硬式野球であることを確信する。

あの背丈は・・・きっと、シニアだろう。

リトルにしては、大きすぎる。

 

滑り台で元気よく遊ぶ坊っちゃん

なんか、保育所の同級生と一緒にワイワイやってるみたいだし、ほっといてもいいだろう。

野球の練習を見物。

守備練習は続いていた。

 

自分が選手じゃないと、いろいろ見えてくる。

この選手、うまいな。とってからが早い。

この外野手、一歩目がおっそいな〜(笑)

投げる球なら、この選手が一番だな。

 

ふと、気がつく。

頻繁にノックが止まり、みんなで「イチ!ニー!!」と声出しながら、ジャンピングスクワットしてる。

何やってんだろ?

よくよく観ていると、どうやら、ミスしたら連帯責任?でみんなでスクワット。

う〜ん。

せっかく休日に集まって、グラウンド使ってできる練習。

そこで、スクワットやる?

そんで、脚プルプルしちゃうから、余計に次の球をミスってるようにも見える。

まあ、動きまくれる「守備体力」ってのも、大事なんだけど。

 

ゲッツーの練習。

「うまいな」と「イマイチ」の差は、取ってから投げるまでの時間。

「イマイチ」は1つ以上動作が多い。

ただ、イマイチな奴らだって、各々の頭の中では華麗に動いてるつもりなの。

でも、イメージと現実は、残酷なほど違う。

僕も、全然華麗にできなかった(笑)

指導者は、それに気づかせてあげなければいけない。

それを、あまりやっているようには、見えない。

 

外野ノックのシメ。

バックホームした後、ダッシュでノッカーのもとへ行き、「ありがとうございましたー!」と深々と頭を下げる。

その間、皆、待ってる。

そんで、「声小さい!もう一回言え!!」って怒られたりしてる。

無駄な時間だな〜(笑)

その間に次の人へ打ってあげなよ・・・。

 

シニアといえば、部活よりもさらに上の環境で、という輩が集まる場所である。

みんながみんなってわけじゃないと思うけど。

軟式よりも危険だし、やるには覚悟がいる。

その練習で、あまりにも生産性が低い。

そう感じた。

 

「反復練習」これは最も大事。

僕はそう考える。

数をこなすしかないっていうことは、事実。

ただし、「よくない形」で反復しても、より強固に悪いクセが増強されちゃうだけ。

例えば、ゲッツーの練習。

ノッカーなしで「採って投げる」の部分だけを集中してやって、まずはそこの形を整えては?

動画で撮って、イメージと現実の違いを自覚させる。

そして、その差を縮めていく、というのも有効だろう。

例えば、ノックだって。

連携プレーの練習なら、必要な人全員いる。

でも、個別のノックなら、全員じゃなくてもいいのでは?

その間に、バッティング練習したり、他のことできる。

 

「選手」を離れて、15年以上経つ。

「練習の場」は驚くほど進歩していない。

逆か。

指導者が野球を離れていないから、新しい発想、変えていこうという気持ちが沸かないのかもしれない。