速達

ピンポーン。

家の中にチャイム音が響く。

「ピンポーン」って音、誰が考えたんだろうね?

扉の向こうに郵便局員が待っていた。

「速達です」丁寧に言葉を添えて、去っていく局員さん。

昨日、父に頼んだ謄本だ。

扶養申請のため、夫婦である証明書として必要、と言われた書類。

役所に行き、「これは本籍地でしかもらえません」と言われた代物。

今日は土曜日だ。

今日届こうが、明日(日曜日)に届こうが、会社への提出、最短月曜日提出に変わりはない。

「急いでない」って言ったんだけどなぁ・・・。

言ってなくても、3秒くらい考えたら、わかるんだけどなぁ・・・。

父さん、局員さん、この書類、速達じゃなくて、よかったんだよ。

 

そもそも、「絶対に速達じゃなきゃいけない」ってもの、多分ない。

「速達だった方がいい」があるだけ。

セカセカした世の中からの脱却は、まだ遠いのかもしれない。