ナイアガラの滝

ああ、これだ!これですよ!

そう思える本を一冊読み終えたので、書きます。

 

パートナーと気持ちが100%通う10の法則/ウィラード・ハーリ(海原純子訳)

 

訳本って、総じて読みにくい。

それが、この本に関しては1〜2割くらいしか感じなかった。

そして、この本の特殊なところ・・・

解説もすごく面白い!

一番刺さった言葉は解説の中にありました。

 

私たちは幼い頃から、「自分がしてほしいことを相手にもしてあげなさい。自分がしてほしくないことは相手にもしないように」と教えられて育つ。

ところが、この教えは男と女のコミニュケーションの場には成立しない。

自分がしてほしいことをすると、相手にとって的はずれ。

 

そんなもん、言われなくたってわかってるさ。

そう言う方が多数かもしれません。

でも、そう言う人に限って、できてないじゃん!ってことありますよね?

私自身、この言葉はわかっていなかったし、自分でできていないと思います。

 

おっと、まさかの解説部分からの紹介になってしまいましたが、「もちろん」です。

本編も面白いです。

そして、本編が読みやすい理由、それは訳者の海原さんだと思う。

彼女自身が心療内科医の医師であり、この本を日本の読者に紹介したいと言う思いから訳している。

自身が専門家であることから、より噛み砕いて日本語に置き換えることができる。

さらに、巻末には「日本の読者にとってなじみのうすい箇所を一部省略」とある。

読んでもわかんねえところは、そもそも訳さない。

それが全編を通しての「読みやすさ」につながっているかもしれない。

この思い切って「捨てる」作業。

意外とできない気がするなぁ。

 

著者は海外のカウンセラーです。

夫婦関係が拗れ切った二人が、著者を頼ります。

拗れた話って、拗れ切った後に聞く話ばかり。

しかも、大概片側からの一方的な意見しか聞きません。

しかし、本編では夫婦がどのような心理を経て関係性が悪くなったのか。

どうして不倫にまで発展してしまったのか。

それが、とてもわかりやすく段階ごと表現されています。

 

アンとテリーは三十代のはじめに出会いました。

二人ともそろそろ身を固めたいと思っていました。

二人の関係はたった・・・

 

えっ、そこからやってくれるの!?

上記のように、二人が結婚する前から解説してくれるパターンもあるのです。

 

「愛の銀行」という尺度も、大変わかりやすい。

男も女も「5つの欲求」が満たされれるかどうか。

満たされれば、愛の銀行のパートナーの口座には愛が貯金され、満たされなければ愛が引き出される。

そして、この「5つの欲求」は男と女で致命的に違うのです。

みんなきっと、薄々は気がついているのでしょう。

でも、ここまではっきり言語化した人は、今までいなかった。

 

◆男→女への欲求

①性的充足

②遊び仲間であること

③魅力的であること

内助の功

⑤賞賛の声

 

◆女→男への欲求

①愛情

②会話

③誠実さと率直さ

④経済的安定

⑤親子の交流時間

 

あー、耳が痛い!!

そうです、そうなんです。

すっごくストンと落ちます。

もうね、ナイアガラの滝ぐらい、スットーンって。

 

男の「性的充足」とか、女の「経済的安定」とか、なかなか綺麗事ですまないから、みんな書きにくいと思うの。

でも、この著者の書き方は全然いやらしくない。

うまく言えないけど、最小限の不快感で読めた感じがするよ。

 

でね、大事なのは「実行」すること。

うん、自信がありません。

最後は、希望が持てる言葉を本編から。

 

性格は変えられないけど、習慣は変えることができる。