人生の重荷を知らないダッツ

Vドラ行こうよ、アイス食べたくない?

 

夜お散歩にて、息子の暴走を止めるべく、4歳児の食欲を刺激する。

「あそこいく!!」

しまった、道を挟んだ向かい側に煌々と輝くミニストップ

「まちがあかるいね!」

たまにはいいか・・・と自分に言い聞かせるように、息子の意味不明な言葉に軽く相槌を打った。

 

入店。

いらっしゃいませ、こんばんわ!

ごく稀にいる、コンビニの平均レベルを遥かに超えた「おもてなし」の挨拶。

思わず反射的にこんばんわ〜と、小さく返してしまう。

ここは、間違いなく日本である。

顔を覗くと、二十歳前くらいの女の子だった。

そのままの姿勢で年をとって欲しいな〜と思う、おっさんの大きなお世話。

 

これにする!

息子の選択は、ハーゲンダッツのストロベリー。

うっ、うぅ・・・。

まあ、たまにはいいか。

父、グリコジャイアントコーン

自らの器の小ささを感じながら、レジへ向かう。

 

おめぇ、ハーゲンダッツ高いんやぞ!?

人生の重荷をまだ知らない表情に、お金を出す前につい3回くらい念を押してしまう。

さっきの女の子がニコニコしながら対応してくれた。

結局、人と人。

時々、そういう原点を感じる些細な日常って、あるよね。

 

原材料欄を見ると、まず「クリーム(北海道)」の文字。

量が多い順だから、贅沢に高級原料を使ってるんだね。

さすがダッツ。

アイスなんて、どれもまず「砂糖」が上位にくるのに。

砂糖・・・なんと、ストロベリー果肉より後!

なるほど、だからあんな上品な美味しさなのですね。

ガッテン!

 

イートインスペースで実食。

カッチカチのダッツにナヨナヨプラスチックスプーンで挑んだ4歳児。

攻略に時間がかかり、完全に湯冷めした。

退店とともにくしゃみを5連射し、鼻水にまみれた息子。

アイスに満足し、眠くなった坊ちゃんから「抱っこ」と一言。

家に帰ってから、食べればよかった・・・。

詰めが甘い。

ダッツ入りの4歳児を抱え、夜空を見上げた。

 

でも、なんかいい夜だな。